経済予測

管首相、日米首脳会談、新たなパートナーシップ成功の失敗

16日に行われた日米首脳会談は、概ね日本の
意図した合意は得られた形で終わりました。

バイデン大統領としては、米中摩擦が激しさを
増す中、アジアの中で米国の影響力を高めるためにも
日本との新たなパートナーシップを組むことは
必要不可欠。

そんな状況下での日米首脳会談は、日本の目指す
合意が取り易い状況下での共同声明になりました。

これについて株式市場の反応は…冷めた反応に
なっていますね。

現在の世界の株式市場の流れは、ワクチン普及に
よる経済回復期待が源流。

2月終盤に、世界最大の資産運用会社ブラックロックは
新型コロナウイルスワクチンの普及に加え、今年の米国の
財政支出が最大2兆8000億ドルに達する可能性を考慮し、
国債に対するスタンスを引き下げ、株式を選好する姿勢を
示したことで、

株式市場の流れは、ワクチンの普及が進む市場に
資金が入る流れになっていました。

逆に、この時点では、日本株はワクチン普及が
遅れているので、アンダーウエート、
今までより保持する比率を下げるということ。

ワクチン普及が進む英国の比率は上げ、
ユーロ圏は、ワクチン普及は各国まちまちながら
現状維持。

そして、3月末から4月にかけ、株式市場は
ワクチン相場となってきて、米国などワクチン接種が
増えているところは、経済回復期待で株価は最高値
更新という流れでした。

管首相にとっても、今回の日米首脳会談は
ワクチン外交でもあり、バイデン大統領は国内世論
もあり直に言及しませんでしたが、ファイザーCEOに
管首相が直接電話をして、供給を約束させた形で
マーケットにアピールしたのですが…

マーケットは、日本に対してワクチン普及より、
日米の新たなパートナシップが、米中摩擦を
激しくする要因で、日本にも悪影響がでると
捉えられたようです。

今回の声明で中国としては、ある一定の強い反応は
示しましたが、何かを行動に移すといったニュースは
今のところなく、今後は米国との折衝の時期を探る
ことと、日本をいかに取り込むかという動きになりそう。

既にマーケットは中国の今後の戦略も頭にあり、
日本が巻きこまれていくことも想定済みなのでしょう。

管首相の今回の日米首脳会談は、政治的には成功だけど
日本の株式市場にとっては、失敗となるかも
しれませんね。