経済予測

過去10年で最悪の遅延率「時間厳守」のドイツ、遅れる鉄道

ドイツ経済がダメになっていると実感する記事

==================================
THE WALL STREET JOURNALより抜粋


綿密な計画と時間厳守の国として知られるドイツだが、
列車を時間通りに運行することはできていないようだ。

昨年はドイツ鉄道(DB)が運行する長距離列車の3分の1が遅延し、
遅延率が過去10年間で最悪となった。

遅刻がご法度の国で、存在価値に関わる危機が深まっている。

 ベルリン社会科学センターのアンドレアス・クニー教授(交通政策)は
「ドイツ人にとって恥ずべきことで、文化的危機だ」と語る。

「われわれは自分たちが最高で、最も効率的だと自慢するのが大好きだが、ドイツ鉄道の遅延とサッカーチームの失墜は、われわれがもう
素晴らしいものを作っていない証拠だ」。

サッカーのドイツ代表は直近のワールドカップ(W杯)で
男女とも一次リーグで敗退し、国民を大いに失望させた。

 ドイツ鉄道の広報担当者は、遅延の理由として利用者の増加、
インフラ老朽化、工事を挙げ、「遺憾の意を表明する」とした。

 遅延のせいで、幼い頃から「時間厳守は王様の礼儀」と
習うドイツ人は、複雑な移動計画を立てなければならなくなっている。

ミュンヘンから1時間の郊外に住む教員のシュテファン・ボナウアーさん(34)は、市内での午前8時の授業に間に合うように90分かけて通勤するため、今では午前4時に起床する。

休みの日に市内の友人に会うときはできるだけバイクを利用する。
「電車は信用できない」

 ドイツ鉄道は乗客のいら立ちを和らげるのに躍起だ。
車内に鎮静効果のある香りを漂わせたこともあったが、
大衆紙ビルトに「香りでごまかし」とやゆされた。

政府は線路の改修に450億ユーロ(約7兆0700億円)を投じている。

そしてドイツ鉄道は、同国企業としては珍しく、ソーシャルメディアの
X(旧ツイッター)に自虐ネタを投稿し始めた。

時間厳守で知られるドイツだが、昨年はドイツ鉄道の長距離路線の
3分の1が遅延した、 米国人小説家のT・C・ボイルさんは6月の
ドイツ旅行中、列車の遅れをツイッターで批判した。

するとドイツ鉄道は「あなたが十分な執筆時間を確保できるよう、
最大限取り組んでいます」と返した。

 車内アナウンスが乗客の怒りを笑いでなだめることもある。
「別の列車の遅れにより、運転士がまだ到着していません。
あいにく、その運転士の乗った列車が使用する線路は現在、
この電車の通行で通れなくなっています。

この状況がどのように解消されるのか、私たち自身も興味津々です」。

このアナウンスはドイツのお笑い番組でも紹介された。

================================

ユーロの雄といわれたドイツ、ドイツ経済の衰退は、
ユーロ経済の混乱を既に招いているともいわれています。
復活する手段はあるのか?

この状況を貴方はどう感じますか?