こんにちは、みなさん。今日は、米国の自動車市場に
ついて話したいと思います。
最近、新車価格が高騰していることをご存知ですか?
実は、2万ドル(約290万円)未満で買える新車は、
今や三菱のミラージュしかないんですよ。
5年前は12車種もあったのにね。
一方で、10万ドル以上の高級車は32車種もあるそうです。
どうしてこんなに差がついたのでしょうか?
それは、コロナ禍でサプライチェーンが乱れて在庫が減り、
政府給付金で消費者の財布がふくらんだからです。
自動車メーカーは、このチャンスを逃さずに高額な
車種やオプションを売り込んだのです。
その結果、新車の平均販売価格は5万2000ドル(約754万円)
にまで上昇しました。
これは、自動車メーカーやディーラーにとっては
嬉しい話ですが、消費者にとっては苦しい話です。
新車を買うには、平均的な米国人は42週間分の収入が
必要だそうです。
コロナ前は33週間分でしたから、かなりの負担増ですね。
中古車も同じように値上がりしています。
平均的な希望販売価格は2万7000ドルで、
コロナ前より30%も高くなっています。
しかも、ローンの金利も高いです。
新車向けのローンでは平均金利が9.5%、
中古車向けのローンでは13.7%もあります。
返済期間も長くなっており、平均で6年近くかかるそうです。
こうした状況では、自動車ローンのデフォルト
(債務不履行)が増えるのも当然と言えるでしょう。
実際、信用力の低い人向けのローンでは、
デフォルトや支払い遅延が2008年の金融危機時と同じか
それ以上になっています。
これは、「不吉」な兆候だと専門家は言っています。
今後、学生ローンの返済猶予措置が終われば、
さらに厳しくなる可能性があります。
学生ローンを抱える消費者の3分の1以上がコロナ中に
新たな自動車ローンを組んだからです。
彼らはどうやって返済するつもりなのでしょうか?
中古車価格は少しずつ下がり始めており、
在庫も増えてきています。
しかし、まだまだ自動車価格は高止まりしています。
1万ドル以下の中古車はすぐに売れてしまいますが、
3万5000ドル以上の中古車は余っています。
このままでは、自動車市場は持続不可能に
なるかもしれません。
消費者が価格高騰に耐え切れずに購入を見送ったり、
既に購入した人が返済に苦しみ始めたりしたら、
自動車業界の利益は大きく減るでしょう。
そうならないためには、自動車メーカーは価格を下げて、
もっと手頃な車種を提供する必要があると思います。
電気自動車(EV)へのシフトには費用がかかりますが、
それだけでなく、一般の消費者のニーズにも応えるべきです。
みなさんはどう思いますか?