校長室

パウエル議長の憂鬱

こんにちは、みなさん。
今日はパウエルFRB議長の憂鬱について
お話ししたいと思います。

パウエル議長は先日、経済に影響を与える可能性のある
外部要因について聞かれたときに、
「ストや政府機関の閉鎖、学生ローンの返済再開、
長期金利上昇、原油価格ショックだ」と答えました。

これらのリスク要因はどれも米国経済にとって大きな課題ですが、
どれくらい深刻なのでしょうか?一つずつ見ていきましょう。

まずはストです。全米自動車労組(UAW)がデトロイトの
自動車メーカーに対して行っているストライキは、
まだ解決の見通しが立っていません。

このストライキは
コロナ禍で混乱したサプライチェーンにさらなる打撃を
与えています。

部品不足によって自動車生産が減り、価格が上昇しています。

もしストライキが
長期化すれば、自動車価格はさらに高騰し、
消費者の需要が落ち込む可能性があります。

自動車産業は米国経済の重要な部門ですから、
その影響は無視できません。

次に政府機関の閉鎖です。

米議会は予算を巡って9月末までに合意しなければなりませんが、
現在は民主党と共和党の対立が激しく、妥協点が見えていません。

もし合意に至らなければ、一部の政府機関は閉鎖され、
政府支出が停止されます。

これは2018年12月にも起こったことで、
そのときは5週間も続いたことを覚えていますか?

その影響でGDPが0.3%も下がったと言われています。
今回も同じようなことになれば、経済成長に大きな
ブレーキがかかるでしょう。

さらに学生ローンの返済再開です。

10月1日から連邦学生ローンの返済が再開されます。

これはコロナ禍で一時的に停止されていたものですが、
今後1年間で約1000億ドルものお金が学生ローンの返済に
使われることになります。

これは家計の負担を増やすだけでなく、他の消費や投資に
回せるお金を減らすことになります。

特に若い世代や低所得層にとっては痛手ですね。

最後にガソリン価格の高騰です。

原油価格は90ドルを超える水準で推移しており、
今夏から20ドル近く上昇しています。

これは供給不足や地政学的な緊張などが背景にありますが、
消費者にとっては直接的な打撃です。

ガソリン価格は8月に10.6%も上昇しました。

これは外食やホリデーギフトなどの裁量的な支出を
減らすだけでなく、製造や輸送のコストを上げることで、
物価全体にも影響を与えます。

航空運賃も5%近く上がりました。

インフレが持続すれば、FRBは金利を引き上げる
圧力にさらされるでしょう。

以上のように、パウエル議長の憂鬱は理解できます。

米国経済は好調に見えますが、
これらのリスク要因が同時に発生すれば、
大きなダメージを受ける可能性があります。

パウエル議長はどのように対処するのでしょうか?
私たちは注目していきたいと思います。

その一方、この起こり得るリスクに対して
私たち個人投資家は事前にどんな対応が効果的なのか?
を考えておく必要がありますよね。

突然の下落に対応する術…考えてみると

統計的ペアトレードに行きついてしまうので、
一緒に学びましょうというAkamaiスクールの
宣伝になってしまいました。(笑)